18歳、見習い小僧から出発

■■■初日■■■

最初の仕事 鎌倉にあるD証券のお屋敷仕事でした。
職人さんの運転する後部座席に乗り、外の風景を黙って見ている時間が長く感じたことしか記憶に残っていません。

現場に到着すると職人さんは先週からの引き続きで、天井壁の下張り作業。

私はホウキとちり取りを持ってゴミ片付けのスタンバイ。

業界の人ならわかると思うが、下張り作業ではゴミはほとんど出ないため、ここでも黙って作業の様子を観察。

午後になり、糊ハケを持たされ糊付け作業を命じられる。

簡単そうに見えたこの作業でも、やってみると
その差は歴然。
職人さんはじっと私の様子を観察している。四苦八苦しながらも夢中で作業する私。
職人さんは黙って待っている。

私は内心、職人さんのアドバイスを期待していた。 
■■■初めての達成感■■■

茅場町にあるオフィスビルの1フロア500m2の天井と壁すべての下地作りを一人で完了した時で、まだ壁紙は貼らせてもらえませんでした。


■■■初めての壁紙貼り■■■

普通のトイレを仕上げることを命じられ、いざ!

今思うと笑ってしまいますが、柄物とはいえ6時間掛かりました。

文句も言わず最後まで作業を続けさせてくれた先輩の職人さんに今では感謝。

無事、検査には合格しました。

■■■初めての大失態■■■

横浜の高級ホテル内を織物壁紙施工の出来事。

だだっ広い壁の一部に火災報知機、分電盤、各種機器のコントローラーが集中してある部分にさしかかり、「きっかき」作業での寸法間違いを2度も。

さすがに職人さんにバトンタッチを言い渡されましたが、2度の失敗で何処が間違えていたのか私にはわかっていましたので、もう一回やらせてもらえるようにお願いしました。 
 
■■■初めての喜び■■■

住んでいるお宅をリフォームし、大変喜んで頂け感謝された時。何の特技も無かった自分がこの仕事を通じて人のお役に立っていることを実感した時。次第に「お客様の喜ぶお顔を拝見」することはクセになり更に技術の向上を目指す。
あの頃から32年・・・
今では直接ご依頼頂けるようになりましたが、

それまでは工務店や設計屋さんの下請け作業ですから直接お客様と打ち合わせや値段について話し合うことなどありませんし、建築の知識を持ち合わせていない一般の方へ説明する難しさや費用に対する勘違い、お客様との距離感に戸惑いながらも奮闘しております。
■■■最近の出来事1■■■

襖貼替のご依頼があり伺いましたところ、窓際には少し汚れた障子がありました。
ひと目でホームセンターで購入し、ご自分で貼替たのだと気が付きましたが黙って襖だけを貼替て納品しました。

お勘定を頂く際、

「これも扱っていますか?」と聞かれて
振り向くと障子のことでした。もちろん即答しましたが・・お客様いわく、「言ってくれれば同時に頼んだのに(笑)」と。

言葉足らずでしたが、私は「障子のことは気が付きましたが、押し売りはいたしませんので・・(笑)」とお伝えしました。
これを機にお客様は安心したのか家の修理に関することを遠慮なくご相談されてきます。
 
■■■こんな相見積もりはいやだ■■■

相見積もりについては消費者心理ですから理解しています。しかし公平に感じられないことが多々あります。

それは

管理人お勧めの出入りのA業者

管理会社のB業者

知人友人のお勧め業者などとの相見積もりのケースです。

管理人いわく)

AまたはBに決まるのであれば特別に駐車スペースを確保してあげます。

AまたはBでしたら工事申請はうまく処理します。

AまたはBはいつも来てもらっているから安心だよ。
この3点プッシュでほぼ決まってしまいます。

管理人の便宜や依頼者へのプッシュ。

依頼者側の心理が「管理人さんとはうまく付き合いたい」など値段や提案プランだけの勝負、工事の出来、不出来とは関係のない比較で意味がありません。

部外者の業者には非常に厳しいと感じます。

住友系列のMは特にしばりがきつい管理会社との競争だと分かった時点でお断りするケースがあります。

■■■大人の対応■■■

他店の仕上がりを見て気が付きますよ。
プロですから・・

お粗末だなぁと思った箇所をあえて指摘しませんよ。

やはりここは「綺麗になりましたね。」と。
チェックしてほしいのであれば事前に申しつけてください。